不登校と卒業認定
2007.2.23
三月の中頃に、とても気になる相談がありました。
Aさんは中学生になってから不登校になり、4月から3年生になります。学年末の懇談の折、お母さんが、Aさんの状況を考えて、「無理に学校へ行かせようとは思っていません。」と話したところ、校長先生は、「それは、義務教育の放棄だ。」「そのようなことでは、卒業させることはできない。卒業できなければ、高校も専門学校も行けないですよ。」と話されたそうです。
心配になったお母さんは、区の教育委員会に相談しました。返ってきたのは「卒業はできると思いますが、卒業認定は、校長先生の権限ですから。」という返事だったそうです。
過去の例を調べてみたところ、2003年に、埼玉県川口市の小学校で、2人の子どもの卒業認定が延期された事例があります。しかし、今年は、東京都において数件、卒業を認定しないという学校が現れているそうです。
2003年は、不登校数が13万4千人人を数え、ピークに達した頃です。その後、「不登校ゼロ宣言」「不登校半減計画」など、数値目標を設定し、不登校数を減らすことが学校の教育目標にさえなっています。このような、子どもの現実、実態からかけ離れた対応が、校長の権限を振りかざした「卒業不認定」という言動の背景にあるのではないかと思われます。
不登校を経験しながら、この春、自ら進路を切り開き、歩み始めた子どもたちがたくさんいます。子どもの希望を挫き、進路を閉ざすような対応よりも、希望を育む取り組みこそ、必要です。