「教育再生会議」の見方
世取山洋介氏(新潟大学助教授)の「教育再生会議第1次報告批判」から
* 第1次報告のもっとも大きな特徴は、小泉内閣時代に策定された新自由主義教育改革プランの実行にこそある。
* 新自由主義教育改革は、親の多様な欲求を満たしやすい"市場"の導入と、そのための規制緩和(誰もが学校を設置・運用できるよう
にし、学区制度を廃止してどの学校も選択できるようにすること)として理解されがちであった。しかし、このような理解は間違いである。
* 新自由主義教育改革は、国家が決定した教育内容に関わるスタンダードの達成度に基づく、学校間・自治体間の競争の国家による組
織を内容とし、エリートと非エリートの早期選別を目的にした、徹底した国家統制の仕組みであると理解されるべきなのである。
* 日本における新自由主義的教育改革は、80年代後半から少しずつそれを構成するパートが部分的に導入されながらも、個々のパート
が有機的に結び付けられることなく、2005年まで展開していた。
* しかし、小泉政権最終盤の2005年6月に、経済財政諮問会議が、全員参加方式の全国一せい学力テストの導入と、それに基づく学
校の評価、個々の学校の学テ成績の公表、学校選択、生徒一人当たりの予算制度というパッケージの導入を提案し、05年の骨太の
方針に取り入れられたのである。
* 第1次報告は、新自由主義教育改革の完成に向けての狼煙を上げた文書であるといえる。
* 教育再生会議の運営委員会において新自由主義改革を推進するキーパーソンは、・・・その経歴から見れば、「規制改革・民間開放推
進会議の委員であった白石氏と予想できる。・・・それに、JR東海社長である葛西敬之氏が共鳴して・・・
* 百マス計算で名を馳せ、新自由主義が想定する学力テスト体制に親和的であったはずの陰山氏も、京都市において組合対策で名前
を馳せた保守派の門川氏もその前では無力になるほど、新自由主義本流は強かったのである。
* なお、"ヤンキー先生"の発言は、私的体験に基づく一般性のない提案で埋め尽くされている。彼はまだ新自由主義教育改革を理解で
きず、当然、それに貢献することも出来ていない。陰山氏と門川氏がややキャラクターの弱いドンキホーテであるとすれば、"ヤンキー先
生は文字通りの"飾り"である。