こんな教育で、子どもがまともに育つのか?
―中教審教育課程審議会報告を考える― 2006.2.28
2月8日中央教育審議会教育課程部会が審議会経過報告の素案をまとめました。
現行の学習指導要領は、”完全学校週5日制の下,各学校が「ゆとり」の中で「特色ある教育」を展開し,子どもたちに学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせることはもとより,自ら学び自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむ”ことを目的とし、
・授業時数の縮減と教育内容の厳選
・個に応じた指導の充実
・体験的,問題解決的な学習活動の重視
・総合的な学習の時間の創設
・選択学習の幅の拡大
を重点課題として、1997年度から実施されました。
完全学校週5日制が実施された2003年には1部改定され「ゆとり教育だ。」「教育改革だ。」などともてはやされましたが、その本質が露呈するのに、それほど時間は必要ありませんでした。OECDなどによる、国際学力調査・比較によって、日本の子ども達の学力の低下が明らかになったからです。「ゆとり教育の見直し」「学力保障」が焦点となりました。それらの課題を検討し、学習指導要領に反映するのが、今回の中教審教育課程審議会の課題でした。
しかし、新聞報道などによると、審議会報告の重要な内容は、
・学習内容とその到達目標を学習指導要領によって設定する。
・学習については学校現場で創意工夫する。
・目標達成の状況を点検するために。全国一斉学力テストを行う。
・「総合的な学習の時間」は維持する。
・読解力や思考力を伸ばすために、国語や理数の時間を増やす。
・授業時間の確保は、低学年での増加や長期休暇を切り詰めて当てる。
等等でした。
「ゆとり教育の見直し」や「基礎学力の充実」を課題としたにもかかわらず、これまでのあり方を根本的に見直しすることをせずに、今日でも過密すぎる授業時間をさらに増やし、教育内容においては、目標まで設定しその点検を行うことを打ち出しました。まさに、これまでの教育行政のあり方、学習指導要領の中味、構成が根底から問われていたにもかかわらず、そのことは不問に伏し、子ども達への負担増と教師に対する管理の強化によって対応しようとするものです。
中央教育審議会は、これまでの「ゆとり教育」・教育改革の路線を継承しつつ、そこに現れた矛盾を小手先、目くらましの手法によって凌ごうとしているに過ぎません。
これは、もはや、中教審が国民のための教育について責任を負うものでないことを示したものに外なりません。
中央教育審議会教育課程部会の前会長の三浦朱門氏が指摘した通りの「ゆとり教育」=エリート教育の路線を、今後も引き続き突き進んでいくことを示した、審議会報告でした。
負担と管理強化の中で、学校がより居づらい場所になるのは、目に見えています。このことが、子ども達の成長に大きく影響を与えることは必至です。
子ども達がどのような反応を示すか、新たな荒れを心配するのは杞憂でしょうか。
文科省の推し進める教育改革路線にもはや期待を寄せることはできません。今、必要なのは、これに相対する教育実践、教育運動を家庭、地域、学校で、人々が共同して取り組み、創造していくことではないでしょうか。