「京都府教委、スーパーティーチャ−制導入」を批判する


京都新聞6月29日の記事によれば、京都府教育委員会は、来年度から、
優れた指導力を持つ教員を対象にした新たなポストを設け,給与などの待遇面で、管理職と同等の扱いをするそうです。
「優れた指導力を持つ教員を管理職と同等に処遇すること」により、
「波及的効果による教員のレベルアップ」を図ることが目的だそうです。

なんと愚かしいことを考えるものでしょう。

優れた指導力を持つ教員とは、どのような先生でしょう。
学校教育法第28条には、「教諭は、児童の教育をつかさどる。」と定められています。
これを基に、ごく普通に考えれば、「優れた指導力を持つ教員」とは、
子どもの気持ちがわかり、優しく、一人ひとりの子どもを大切にする先生。
教材研究に励み、楽しい、よくわかる授業のできる先生。
などが浮かんできそうです。

しかし、京都府教委の考える「優れた指導力を持つ教員」は、少し違うようです。
京都府教委は、3年前から優秀教員の表彰を行ってきました。
さしずめ、スーパーティーチャ−の対象は、この優秀教員だろうと推察できます。

京都府教委のホームページを開いてみると、優秀教員の氏名が公表されています。
ある教育局管内から選ばれた優秀教員の共通点は、全国大会出場です。
自転車大会や駅伝、カヌーなどの大会で全国大会出場に導いた指導者です。

優秀教員は、クラブ活動や何かの競技の指導に励んだ先生の中から選ばれています。
地道な学級作り、集団作りに取り組んでいる先生
教材研究や授業研究をを通して、わかる授業に取り組んだ先生
やさしく子ども達に好かれている先生
こうした先生達は、選ばれてはいません。
(もし、選ばれていましたら、教えてください。)

スーパーティーチャ−制を導入すれば、教育現場はどのようになるのでしょうか。
日常の授業よりも、クラブ活動や競技会、コンクールが重視されたり、
成績や効率を優先させた取り組みが幅を利かせたりするようになるのではないかと危惧します。
このようなことは、「教員評価制度」の実施とともに、既に、現れ始めていますから。

このような制度を設けなくても、お金でつらなくても、
優れた先生は、既に、教育現場には、多くいます。
それらの先生達は、敢えて言えば、、過労死寸前の過酷な勤務条件の中で仕事をしています。

その先生達が、存分に力を発揮できる条件こそが必要なのです。

その条件とは、

1.教材研究や授業準備のできる時間の保障をすることです。

多くの先生は、1日の勤務時間のうち、教材研究や授業準備、学級事務をする時間は1時間ほどしかありません。
その1時間も、会議や打ち合わせに使うことがほとんどです。
ですから、毎日、勤務が終わってから夜遅くまで学校に残って仕事をしたり、
仕事を家に持ちかえったりしています。

2.少人数学級の実現です。

先生の時間的ゆとりとともに必要なことは、学級規模の小人数化です。
一人一人の顔が見え、声が聴け、コミュニケーションのとれるようにすることは、時代の要請です。

3.自由な研修の保障が大事です。

今、京都府の先生達は、教育委員会の指定した研修以外は、自由に研修を行うことができません。
京都府総合教育センターでの研修が主です。それも、半強制的な研修です。
全国の優れた教育実践を学ぼうとして、休みをとり、自費で出かける先生が多くいます。

このようなことが保障されれば、教育がどれほど充実したものになるか、想像に難くありません。

先生達を競争に追いやり、金銭で釣るような姑息な制度の導入には反対です。