「朝食と学力」キャンペーン
2006.5.13
食と学力を結びつけたキャンペーンが、今、流行のようです。
京都市教委が朝食の勧めなどの「家庭学習の手引き」を作成したそうです。5月12日の京都新聞夕刊、洛中洛外が紹介していました。小学校1年生全員に配るそうです。
同様のパンフレットを亀岡市でも各家庭に配布しています。
また、中国地方のある市では、朝食をとっていない子ども達に、牛乳やヨーグルト、チーズなどを無料で提供し、市を上げて、朝食をとる取り組みをしているそうです。(5月12日読売テレビ)
ですから、京都市教委独自の取り組みというよりも、昨今、社会問題化している「学力低下」への対策として行われているものと理解した方がいいのかもしれません。
京都市教委が行った学力・生活意識調査で、学力テストの得点が高い子ほど朝食を毎日とり、家での勉強時間が長いという結果が出たそうです。そこで、規則正しい生活や学習の習慣を身に付けてもらうことを趣旨として手引きを作成したそうです。手引きには、朝食の必要性のほか、学年×15分の学習時間の目安などが書かれているそうです。
確かに、朝食や学習時間などの生活習慣が学力形成に関わりはあるのでしょう。しかし、このことは、学力に限ったことではなくて、心身の発育や健康面からも大事な事柄で、予てから、基本的生活習慣として重視されてきました。
また、多くの家庭では、子どもの健やかな成長を願い、様々な努力を積み上げているのではないでしょうか。
今日の学力問題を、個人や家庭の課題とするのは、無理な話です。その点を、親は敏感に感じ取っています。
昨年度の内閣府の調査でも明らかなように、学力をつけるために、学校よりも学習塾や家庭教師に頼る傾向が強まっています。
学力低下は、文部科学省による教育政策(つまり、学習指導要領や教育課程、「教育改革」など)によって作り出されているのですから、その点の是正や修正を必要としています。
今、朝食などの生活習慣を学力と結び付け、家庭へ投げかけることは大事なことかもしれません。しかし、教育行政や学校は、それに終わってはならないのではないでしょうか。
今日の学力問題、「学力低下」は、文部科学省による教育政策(つまり、学習指導要領や教育課程、「教育改革」など)によって作り出されているのですから、その点の是正や修正をこそ、教育行政はしなければならないのではないでしょうか。
そうしてこそ、どの子にも確かな学力を保障する為の、家庭と学校の連携が出来るのではないでしょうか。
そうした努力を欠いた「手引き」の作成は、社会問題化している「学力低下」への対策としての作為を感じるのは、穿った見方でしょうか。